手当の参考
「日焼けはやけどと同じ」と捉えて考えると、対処の仕方、手当の方法がわかりやすくなります。ただ、赤くなっているわけではなく、その部分は強いダメージを受けており、放っておかずに、しっかりとケアをすることが大切です。
- 日焼けの手当は、先ず冷やすことです。水道の蛇口やシャワーから出る水、水でぬらしたタオル(冷やしたものもOK)、水を入れた袋(氷入りも)などで、ほてっている感じがする、感触が鈍く感じる、赤くなっている(日陰で見ると違いがわかりやすいです)、このようになっている皮膚を冷やします。
- ヒリヒリする感覚が薄まるくらいまで行います。ただ、皮膚の感覚が鈍くなっているので、冷やしすぎないように注意ください。長時間連続して冷やすのも避け、幾度かに分け、冷やすのと何もしないのと交互に行う方法が安全です。
- 氷を直接皮膚に当て続ける等の冷やし方は、更に皮膚を痛めてしまうこと(低温やけどに近い状態)になりかねません。また、体が冷え切ってしまうような冷やし方(水風呂に長時間つかる等)は厳禁です。余計に体調を崩してしまいます。
- 普段の生活中でやけどをする場合と異なるのは、体の広い範囲がなっているということです。炎症により、体力が消耗され、体は疲れます。日焼け後は、体調も崩しやすいので、日の当たるのを避け、涼しいところを選び、疲れが取れるまで十分に休息を取ります。
- 痛みが強い(寝られない、服が着られないなど、日常生活に支障がある)、水ぶくれ(ふくれた皮膚の内側に水がたまっている)となった場合には、皮膚科病院(皮膚科医の診断を仰ぐ)へ行く必要があります。そこまでに至らない場合でも、皮膚科医の処置(手当)と処方(塗り薬、内服薬など)により、早く治すことができるので活用すべきと考えます。
- 病院へ行くことができない場合は、薬局やドラッグストアにいる薬剤師に相談することも参考になります。ただ、病院へ行った方が安心と早い回復を得ることができ、費用負担も少なく済む場合もあります。
- 早く治すには、日焼けしたところを刺激しないようにします。皮膚がヒリヒリしているうちは、熱いお風呂に入ることや、強いシャワー浴びることは避けて、ぬるめの温度、弱めの強さで、皮膚にやさしくすることがおすすめです。手でかいたり、服でこすったりしないように注意です。
- 皮がむけ始めてきたら、無理に取ったり、こすったりすることは、赤ムラになり、治るのが遅くなります。自然に取れるまで我慢しましょう。
日焼けしたところへ、ローションやクリームを塗ることは、痛んだ皮膚へ水分と油分を補給して、皮膚の状態をよくしますが、水ぶくれやただれが起きていたり、痛みが強い場合には、悪化の原因になるため塗ることを避けなくてはなりません(医師の処方した薬を除いて)。また、自分の肌に合ったものを使用し、付けた後、赤くなったり、かゆくなったりするようでしたら、使用をやめる必要があるなど、注意が必要です。
ビタミンCやL-システインなどのビタミン・アミノ酸を補給することは、皮膚の状態を良くすること、回復を早くすることに効果があるとされています。医師や薬剤師へ相談されてください。
予防のアドバイス
このような手当が必要となる前に、日焼けは予防するものと考えて、体にあった日焼け止めクリームやスプレー、衣服、帽子、サングラス(メガネ)を効果的に使用して、できる限り、日焼けしないで済むようにすることが大切です。
- 日焼け止めは、耳、唇、鼻、額(ほお)、頬(ひたい)、手と足の甲、肩、首の裏側、胸・お腹・おしり・ふくらはぎの上部、太ももの付け根、膝の上側など、出っ張ったところ、盛り上がったところに塗り忘れがないよう、日焼け止めを付けるのがポイントです。特に、唇(くちびる)や耳(みみ)は皮膚が柔らかいため、日焼けをすると痛みが強くでやすいです。こまめに何度も塗り直すことが必要です。
- 唇にはUVカット効果のあるリップクリーム(取れやすいので、こまめに幾度も塗り直します)、塗りにくいところや塗り直しには楽にスプレータイプ、顔にはスティックタイプが手が汚れず使いやすいので、おすすめできます。
- 頭の髪の毛の頭皮も日焼けをしやすいところです。日焼けした後、皮がふけのように取れてきます。日焼け止めがつけにくいところですので、帽子を積極的に被って日焼けを防ぎましょう。
- 海岸や砂浜、プールや水辺では、光が反射して目の中が炎症を起こします。サングラスも有効ですが、紫外線は普通のメガネでも十分に防ぐことができます。また、コンタクトレンズを使用される方は、UVカット(吸収)効果の得られるレンズを選択するもよいかもしれません。
写真は、夏の久里浜港とペリー公園の前にある久里浜海岸です。昭和初期までは遠浅の海岸でしたが、港が整備され、砂浜で楽しむ場所となりました。
作成者について 水上安全法普及会
水に関わる事故から生命を守るための総合的な知識と技術「水上安全法」を、神奈川県の三浦半島地域へ普及啓発することを目的として活動する、非営利のボランティアによるNPO法人です。
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