水上安全法について
- 水の有効性と危険性を理解し、水の事故を防ぐとともに、積極的に水を活用して健康を増進し、万一事故が発生した場合には、その場所や状況に応じ、自分自身の安全の確保と同時に、他者を助けるための的確な対処が図れるようにするための方法です。
- 水の事故防止、泳ぎの基本と自己保全、事故者の発見と救助、安全管理と監視、救命と応急の手当、等の、総合的な知識と技術を習得することができる内容で構成しています。
- この知識と技術を、より多くの人々が自分自身と家族や周りの人々の安全を確保するための術として持つことができるよう、普及を行っています。
水の事故を予防する、事故が起きた際には自分自身の安全を保ちつつ対処する、これらの方法を習得するための講習を紹介します。国内では、次のような講習会が開催されています。
赤十字水上安全法講習
水と親しみ、水の事故から人命を守るため、泳ぎの基本と自己保全、事故防止、溺れた人の救助、応急手当の方法などの知識と技術を習得する内容です。具体的には、次のような講習の種類で行われています
水上安全法救助員I養成講習 (プールで実施)
- 内容:水上安全法救助員Iの資格取得を目指します。水の事故防止、泳ぎの基本と自己保全、事故者の救助、応急手当を学びます。講義、実習(陸上、プール)、検定試験があります。
- 日程:おおよそ3日間、救急法基礎講習を含む場合は4日間ほどの日程で開催されています。(会場の事情や開催形態により異なります)
- 会場:屋外または室内プールでの実施です。実習上の制約から十分な水深のあるプールで行われています。
- 状況:全国の都道府県で実施されてます。6月から9月の間に多く開催されていると伺われますが、都市部では冬季の開催も見られます。一般の方を対象とする年間の実施回数は、実施している45都道府県の平均では年間2回ほど、うち24県が年1、多いところは、北海道9、茨城6、千葉5、東京6、神奈川6、福岡4、と実施回数は都道府県により大きく異なります。実情としては、実施の無い年もあったりと毎年実施されるとは限らない、隔年や数年毎等の実施であったり、殆ど開催していない県もあるように伺われます。※コロナ渦前の状況のため現状は不明。
- 注意:一定頻度者向けの一次救命処置(心肺蘇生、AED使用法、気道異物除去等)を身につける、救急法基礎講習を修了した後に参加できます。(救急法基礎講習からの連続開催される形態も多く伺えますが確認が必要)
水上安全法救助員II養成講習 (海や湖沼で実施)
- 内容:水上安全法救助員IIの資格取得を目指します。水上安全法救助員養成講習I(プール)の内容をふまえ、海、河川、湖沼における、事故防止、泳ぎの基本と自己保全、事故者の救助、応急手当を学びます。講義、実習(陸上、海・河川・湖沼)、検定試験があります。
- 日程:おおよそ2~3日間ほどで開催されてます。(会場の事情や開催形態により異なります)
- 会場:殆どが海岸での実施です。ただし、長野県では湖で実施されているのが特徴的です。水泳場等の水泳環境に支障のない場所で行われています。
- 状況:北海道(年6)、茨城(年1)、埼玉、千葉(年1)、東京、神奈川(年1)、長野(年1)、新潟、静岡(隔年)、愛知(三年毎)、三重、京都(年1)、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄、での開催実績が伺われます。ただし、実施の頻度は都道府県により、毎年、隔年、三年毎、不定期などと異なります。※コロナ渦前の状況のため現状は不明。
- 注意:水上安全法救助員Iの資格取得の後に受講できます。会場が海や湖という事情から、開催日程は夏季に限定されています。その年の実施有無の発表は、例年4~5月頃までに伺われますが、お住まい近隣および周辺を含む 赤十字道府県支部での確認をおすすめします。
水上安全法救助員資格継続研修
- 廃止:資格継続研修は2019(平成31)年3月31日をもって廃止されました。そのため資格維持には、救急法基礎、救助員I養成、救助II養成、と必要な資格に応じた講習を再受講するかたちとなります。
水上安全法短期講習
- 内容:水上安全法のカリキュラムに沿って、希望する内容ができる講習です。着衣泳や子ども向けの講習、スキルアップのための講習などが開催されています。
- 日程:3時間ほどから開催されてます。(会場や内容により異なります)
- 注意:開催する団体により内容を企画して実施されています。この短期講習の開催を希望される際には、開催する地域の赤十字都道府県支部へお問い合わせされてください。
水上安全法指導員養成講習
- 内容: 赤十字水上安全法講習の指導をボランティアとして担われる方を養成するためのものです。指導員の認定を受けたあかつきには、該当する赤十字講習の指導を担われます。
- 種別:プールでの講習の指導を担う指導員I、プールから海や湖での講習の指導を担う指導員II、と二段階になっています。
- 対象:指導員養成講習は殆どの場合、実施する支部の赤十字職員と赤十字奉仕団員を対象として行われていますが、一般の方も対象として含んで実施する支部もあるように伺えます。
- 状況:赤十字都道府県支部もしくは近隣支部の合同により開催されているのが伺われます。ただし、実施する場合でも三年から数年程度の実施間隔と伺われ、実情により異なります。
- 注意:講習指導員としての活動は、赤十字のボランティアとして赤十字活動の一翼を担う立場になります。そのため、資格が欲しいやご自身の勤務・活動・関係先のため等という理由は、適切ではありません。一定の指導実績や定期的な研修受講も必要となり、自身と関わりの無い場所での講習指導を担うことも求められます。
- 目指す:一般の方で指導員としての活動を希望される場合は、先ずは、活動したい都道府県内での講習会に参加されることが、一歩目となると思われます。そこから指導員を目指す場合は、全国的には赤十字奉仕団に入団してからとなる例が多く伺われます。なお、水上安全法では、水上安全法の奉仕団や、救急法等と合同しての奉仕団がある都道府県支部が伺われます。
(※私どもは赤十字奉仕団では無く、組織として関わりもございませんが、当会は水上安全法をはじめとした救急法等の指導員を多く抱えているボランティア組織です)
当会ではこれまで、赤十字水上安全法講習のうち、「救助員I養成」「救助員II養成」「資格継続」「短期」、の各講習研修の開催を行ってきております。なお、当会が開催する講習の予定は、ブログ欄に掲載しています。